― 心・脳・身体・腸+口腔を整えるアクティブウェルネス ―
2025年9月21日(日)、一般社団法人SUPER DENTAL LAB.(SDL)設立一周年を記念し、銀座・グレースバリ銀座グランデにて『CHALLENGE TO CHANGE 2025』を開催いたしました。
テーマは「歯科医療 × ウェルネス」
総勢70名の参加者6名の登壇者、4社の協賛企業様にご協力をいただき、会場は終始、熱気と感動に包まれました。



1. 開催概要と目的
今回は、歯科を中心に医療・美容・運動・栄養・睡眠など、多職種が垣根を越えて集結し、“健康を待つのではなく、自ら掴みに行く”という「アクティブウェルネス」の理念を共有・体感するイベントとして開催されました。

2. 基調講演
池澤 智 氏(TOTAL Workout代表/アクティブウェルネス提唱者)
「ACTIVE WELLNESSの本質 ― 人生を自ら整える力」
池澤氏は、日本初の女性パーソナルトレーナーとして、長年にわたりアスリートや文化人のボディメイクを手掛け、「一人の人を全方位から支える」トータルアプローチを追求してきました。
講演では、健康を“与えられるもの”ではなく“自ら選び取り、整えるもの”と捉える「アクティブウェルネスの哲学が」語られ、それを支える6つの要素(Retreat/Workout/Food/Mind/Medical/Style)が紹介されました。
また、神経系トレーニング(Athlete Tuning Method®)や動作解析、TOTAL FOODSによる栄養サポート、血液データに基づく個別栄養指導など、科学的根拠に基づいた実践が共有され、歯科分野における姿勢・筋肉・神経連動の重要性との共通点が明確化されました。
「美しさや健康は“待つ”のではなく、自分で“つくる”もの。医療も美容も、すべては自分の選択から始まる。」 この考え方は、SDLの理念「自ら整え、自ら守る医療」と深く響き合う内容でした。


3. 特別講演
藤巻弘太郎 氏(歯学博士/国際中医師/日本睡眠歯科学会 理事)
「歯科と睡眠の最前線 ― 衛生士が起点になる多職種連携」
藤巻先生は、歯科医療が睡眠・姿勢・咬合・筋機能を通じて、全身の健康に大きく関与していることを、豊富な臨床データと学術的エビデンスをもとに解説されました。


主な講演内容
- 睡眠歯科の役割と現状
睡眠時無呼吸症候群(SAS)や歯ぎしり・食いしばりの早期発見における歯科の可能性。歯科衛生士が日常のメンテナンスで見つけられる睡眠サイン。 - データに基づく“見える化”の重要性
ウェアラブル筋電計によるブラキシズム検査や、咬合解析などの最新技術が紹介されました。 - 医科歯科連携の進化
歯科が単なる「モノづくり」ではなく、医療チームの一員として睡眠・姿勢・筋・神経・呼吸を統合的に診ることの必要性を強調。 - 睡眠と経済・社会への影響
日本人の平均睡眠時間は世界最下位であり、GDP損失は約15兆円規模にのぼるとの報告を引用し、「歯科が国民の健康寿命延伸に寄与できる領域」であることを提示しました。
「歯科は“口の中だけ”を見る職業ではありません。睡眠、姿勢、食、筋肉、そしてメンタルまで、 “人の生活すべてを支える医療人”なのです。」

STAGE2:多職種トークリレー
後半は、多彩な専門家が登壇し、調舌、ホワイトニング、物販、体質改善、身体づくりなど、さまざまな角度から“ウェルネス”を再定義。
歯科衛生士の齊藤千春氏、興津文代氏、西田香奈江氏、理学療法士の新井りゅう氏、本質美容セラピストの北村典子氏が、口腔を起点に身体・脳・腸・心を整えるアプローチを共有しました。
また歯科衛生士による実践報告では、診療室を越えて生活者全体の健康支援に貢献する「ウェルネス・ナビゲーター」としての可能性が語られました。
齊藤千春 氏(歯科衛生士/調舌トップトレーナー)
「調舌で広がる生きる力」
舌の使い方を整えることで、呼吸・嚥下・発音・姿勢が改善し、子どもから高齢者まで“生きる力”を高める実践を紹介。 「調舌=命を守るリハビリ」であるというメッセージに、参加者から深い共感が寄せられました。


興津文代 氏(歯科衛生士/ホワイトニングサロン経営)
「ホワイトニングを“特別”ではなく“日常”に」
ホワイトニング導入を“医院の武器”に変える仕組み化を提案。
セルフケアを日常に取り入れることで、患者のモチベーションと医院収益の両立を実現した成功事例が紹介されました。


西田香奈江 氏(歯科衛生士/歯科物販マネジメント衛生士)
「セルフケアが叶える これからの歯科衛生士」
「予防なくして健康なし、物販なくして予防なし」という理念のもと、
物販=“セルフケアを届ける医療行為”としての価値を発信。
歯科衛生士が患者の命を守るための“日常医療”としての物販の意義を示しました。


新井りゅう 氏(理学療法士)
「歯科でも始めよう!アクティブウェルネス」
顎関節・姿勢・肩関節など身体全体のつながりから、理学療法士が果たす歯科との連携の可能性を提案。
「受け身の健康づくり」から「能動的な健康づくり」へのシフトを呼びかけました。


北村典子 氏(本質美容セラピスト)
「美容の本質とは」
“美とは、内なる生命力=生きる力の表れ”と語り、
外見だけでなく心と身体の調和を取り戻す「本質美容」の意義を発信。
予防医学と再生美容の融合による“揺るがない美”のあり方を示しました。


山中文奈 氏(歯科衛生士/SDL理事)
「予防から始まる全身の健康 ― 歯科衛生士の役割と未来」
歯科衛生士としてのキャリアと臨床経験をもとに、口腔管理が腸・脳・全身機能に与える影響を解説。
歯科衛生士が“地域の健康インフラ”となる未来を描き、
「歯科衛生士が憧れの職業No.1に」という強いメッセージで締めくくりました。







歯科から始まる“ウェルネスのカタチ
「アクティブウェルネス」は、単なる健康法ではなく、
“自らの人生を整え、主体的に生きる力”を取り戻すための考え方です。
『CHALLENGE TO CHANGE 2025』は、
その理念を歯科から社会へ広げる第一歩となりました。
歯科衛生士が患者の“口”を通して“全身”と“人生”を支える時代へ。
SDLはその実現に向けて、多職種とともに「心・脳・身体・腸+口腔を整える医療」の形を発信し続けます。

歯科から広がる“人生に伴走する医療”へ
25年前から、池澤智氏は「一人の人を全方位からみる」ことを実践してこられました。
必要だと思えば、あらゆることを自ら体験し、学び、クライアントに提供する。
クライアントが自ら歩み出すことができるように伴走し続ける――。
その姿勢こそが、いま歯科医療に求められている本質です。
そして、池澤氏は“ひとつの場所での多職種連携”を実現してきました。
歯科医療もいま、大きな転換期を迎えています。
患者さんがただ椅子に座って治療を受ける時代は終わりました。
私たちは、技術を提供するだけでなく、人生の伴走者として、信頼できるパートナーとして、
患者さんを支える存在へと進化していく時代に立っています。
「待つのではなく、自ら選ぶ力を育てる」――
それが、“治す歯科”から“人生を支える歯科”へと変わる、新しい歯科医療のかたちです。

💎 信頼を生む“プロフェッショナル”とは
信頼を生むプロフェッショナルとは、どのような存在でしょうか。
患者さんが語るのは、「この人に診てもらいたい」「この人になら人生を託せる」という言葉。
技術や知識は前提にすぎません。
本当に人の心を動かすのは、私たち一人ひとりの人間性です。
本当の多職種連携とは、歯科医師や歯科衛生士だけのものではありません。
管理栄養士、理学療法士、ジムトレーナー、セラピスト、保育士、美容師、企業パートナーなど、
幅広い専門家が互いの知識を共有し、歯科の価値を理解し合うことが、
人を救い、健康を支える社会をつくるのです。
開催を終えて


私たちが目指すのは、立場や肩書を越えて、
互いを尊重し、専門性を活かして視点を広げるフラットな関係です。
学び続け、発信し続けることで、業界は変わり、社会も変わります。
いま、私たちが輝けば――
患者さんが変わり、そして社会が変わるのです。
「歯科を“治療の場”から“人生に伴走する場”へ」
SUPER DENTAL LAB.は、これからも多職種とともに、
人と医療、そして社会をつなぐ“アクティブウェルネス”の輪を広げていきます。
📖 発行:一般社団法人 SUPER DENTAL LAB.
代表理事 福井陽子(歯科医師・歯学博士)
🧩 登壇者・関係者一覧[敬称略]
特別講師
池澤 智(TOTAL Workout代表)
藤巻弘太郎(歯科医師/歯学博士/国際中医師)
多職種トークリレー
齊藤千春/興津文代/西田香奈江/新井りゅう/北村典子/山中文奈
司会
小原真理/増田仁美
協賛企業
マネービタミン株式会社
株式会社東京ミライズ
株式会社ナースキュア
アチーブメント株式会社
スタッフ
受付:平野 真寧(歯科医師)/志田すみか(歯科衛生士)
ステージマネージャー:伊勢川直子(歯科衛生士)
フロアマネージャー:山田順子(歯科衛生士)
音響/照明:福井直人(歯科医師)
企画/広報:金沢由紀子
総合プロデュース:割田康彦
主催/ナビゲーター:福井陽子(SUPER DENTAL LAB.代表/歯科医師歯学博士)
🔗 SUPER DENTAL LAB.公式サイト
https://sdl.she-d-japan.com/